人生を少しだけ生きやすくするアニメカウンセリング

人生で大切なことは、全てアニメが教えてくれる♪

様々な立場で物事を見ることのススメ ~東京喰種~

朝の名言でとりあげた「東京喰種(グール)」ですが、この作品はともすれば、鬼滅の刃みたいにひたずらに「グロい」だの「残酷」だのな点ばかりクローズアップされやすいです。

…まぁ、「人が喰われる」設定なので、鬼滅にしろ、進撃の巨人にしろそういうシーンが多いのは仕方ないと思いますけどね…(言いたいことは色々ありますけど大人なので、やめときますw)


東京喰種は、絵もキレイだし、独特な世界観だし、セリフも文学的で、作者の知性を感じるし、キャラクターも魅力的なので、血を見るのが苦手でない方なら、特に何も考えずに見ても面白い作品なのですが、みみのすけのおススメの見方は、それぞれの立場に立って物事をみる、それぞれの背景を鑑みることです。


最初、私も世界観楽しむ感じで、あんまり何も考えないで見ていたのですが、要所要所で、違う立場でのモノの見方を突き付けてくる感じで、ハッ☆とさせられます。


例えば、トレビアン月山習wの

「人の命…?僕ら(グール)は平等な肉袋。むしろ生命全体で見れば、人間の方が多の命を積んでいる。だが彼らと違って、僕らは人しか殺さない


人間を喰らう存在というのは、人間の立場で見れば、悪でおぞましい存在でしかないのですが、確かに生命全体で見れば、人間は地球上でもっとも多くの種類と量を喰らう存在で、そのために、生態系を破壊までしてしまう事を考えると、生命全体にとってはどちらが迷惑な存在なのかは自明です。


とはいえ、だから人間は大人しく殺されるべきだと言うワケではなく、グールの中には、躊躇なく食事のために人を殺す者もいれば、それをエンターテインメントにする者もいるし、無駄に人を殺めないよう、自殺者や行き倒れを食す者もいて、人間同様、様々な価値観を持ったグールがいて、種の違いだけで、他は人間の何ら変わらない善良なグールもいます。


一方で、対・喰種機関「喰種対策局」通称CCGという、グールを狩る組織があり、(鬼滅の刃でいう「鬼殺隊」みたいな感じ)そこには、殺したグールの「赫子(かぐね)」から作ったクインケという武器を操る喰種捜査官がいます。

(真戸捜査官)               (亜門捜査官)

真戸捜査官は、見た目からヤバめの感じがしますが、見た目通りのゲスい人物です。とにかくグールを憎んでいて、グールに対しては1ミリの容赦がない、だけなら分かりますが…見ていてかなり不快感を与えてくる人物です。


正直、グールに対してはやる必要がないことまでやる…人としてどうかと思う残忍さなのですが、捜査官としては優秀な上、部下にはそれなりに配慮できるので、CCG内では部下や同僚から尊敬されており、見ていて違和感すら覚えますが、人間側から見ると家族や友人など大切な人をグールに殺されている側すると、グールに対して残忍なことは気にすることでもないでしょう。


反対に、グールとはいえ、殺人を犯したこともない、善良なごく普通の母親がグールというだけで殺害されるのは、グール視点で見ると理不尽に感じます。


そして、かつ、善良だろうがなんだろうが、グールというだけで残忍にグールを殺害する真戸捜査官は、同様に捜査官だった奥さんをグールに殺されたことでグールを憎んでいます。


単純に善と悪では割り切れない、それぞれの立場や状況が交錯する様子を俯瞰することを、一番突き付けられるのが、シーズン1の6~7話です。


捜査官がグールに対して
貴様らはなぜ存在している?残されたものの悲しみ、孤独…貴様はそれを考えたことがあるか?」
と言い、
グールが捜査官に対して、
訳もなく命を狙われる恐怖、あんたに分かる?大切な人が虫けらのように殺される、その気持ちが分かる?」
と言う…それぞれが理不尽な事実に、身を焼くような怒りを抱いて、吐き出すように言うセリフです。


人は、自分の立場だけ理解してもらうことを望むものです。


相手の立場を慮れる人は極めて少ないです。


悲しいのは、自分の立場だけ理解してもらいたい人間は、両方の立場を理解する人間の事を理解できないので、異質な存在として警戒し恐れがちです。


結果、両方の立場を理解する人が、理解できるが故に、一番苦しみ理不尽な目に合ったりするのが現実です(主人公のカネキがそう)が、それは、そうできる人が少ないからです。


両方の立場で見ることを一番阻害するのは感情で、思いが強いほど、阻害します。


互いの立場を理解するのに必要なのは、理性で、理性は人間にのみ備わっている性質です。


感情的なほど、人間関係はうまくいきにくいのは、自分の事ばかり主張してしまうからで、理性があれば、相手の立場も慮ることができます。


昨今、いろんな事件が起こっていますが、自分の立場だけ理解してもらう事を主張する人が多いからではないかと思います。


トラブルを避けるためにも、理性的に相手の立場を考えてみることは大事なこと。


ちょっと、視点を変えてみる練習を、東京喰種でしてみませんか?


(イケメンで知的で優雅な面と、ど変態な執着心を持つ月山君…人もまた多面的ですね)